自分にとってのいい手品

 今この文章を読んでいる皆さんにとって、“いい手品!”とは何ですか?
演じやすさでしょうか?不思議さでしょうか?
こんな経験はないですか?いい手品と思っていた物が、あまりウケなかったり、逆に良く思ってない手品が案外評判良かったり…。

手品の難しいところでもあるのですが、見せ方が少し変わっただけで、突然いい手品に変わることがあります。
それは、ちょっとしたセリフであったり、タイミングであったりします。
そのちょっとしたポイントを見つけるには、いくつかの方法があります。

ひとつはその手品の見せたいところを見つけることです。
例えばその手品を不思議に見せたいなら、どういった理由でその手品が不思議に見えるのかを分析して下さい。
そして、その現象が起こる可能性がいかに低いかを説明する“いいセリフ”を見つけて下さい。

気さくな人に見せると「よそ見してる間に入れたんじゃない」とかいろんな事を言う方がいますが、要するにそれなんですね。
“こうやったらできる”と言う可能性を言ってくれますから、それを前もってセリフで抑えていたらより不可能に見えます。
ただ、ここに述べたことは“不思議に見せる”事であって“ウケる”とは別の話です。
テーブルホップなどでは、逆に可能性を残したままの方が、「ああじゃない、こうじゃない」と会話が出て、盛り上がって終ることもあります。
これもマジシャンとして成功かどうかと言えば、難しいところはありますが…。

 いろんな事を考えて、いろんな事を試して、自分にとっての“いい手品”をいっぱい増やして下さい。