インビジブル・デックでの失敗

 私は何故か“失敗しない人”のように思われるところがあるのですが、今までいろんな失敗をしています。
そこで今回は“インビジブル・デック”での失敗を、振り返りたいと思います。

インビジブル・デックとは、お客さんに心の中で自由に選んでもらったカードを言ってもらい、デックを広げると1枚裏返っていて、そのカードがお客さんの選んだカードと言う、トリックデックの中でも一番好きなトリックです。
おそらくここのサイトを見ている人なら持っていると思うので、その辺りを踏まえて書きたいと思います。

 一番多かった失敗
“選んでもらったカードが普通に表向きに入っている”

マジシャンは言います。
「表向きの中に1枚だけ、裏向きで入っています」
お客さんは「まさか…」との思いで、取り出されたデックを食い入るように見ています。
間違いに気が付かず、余裕で広げている私…。

『あっ!!…。』←(私の心の声)

『あれっ?』←(お客さんの心の声)

その部屋には、まるで誰も居ないかのごとく静まりかえる…。

“水を打ったかのごとく静まりかえる”その言葉の意味を頭ではなく、全身で理解した瞬間だった。

マジシャンは言います。
「ねっ。本当にひっくり返っていたら不思議でしょう」
呆気に取られるお客さん。

マジシャンは広げたデックを揃え、テーブルにあるケースを持って、テーブルの下にゆっくり隠れながら言います。

「少々お待ちを…。」←(あくまで紳士的に…)

この次点で、お客さんは失敗したことに気が付き、笑っている人やポカーンとしている人などさまざまです。

この後は、改めてお客さんに1枚好きなカードを言ってもらって当てるのですが、グズグズ感は否めません。
それでもお客さんは喜んでいたので「まぁ、いいか…」と思っています。

あとビックリした失敗は、インビジブルと思って出したのがレギュラーだったこともあります。
ちなみにこのときの記憶はありません。
どうやって切り抜けたか、全く覚えていません。

失敗したときのごまかし方も慣れていた方がいいのですが、出来るだけ失敗はしたくないものです。




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